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FIGHT REPORT
2002年12月11日・後楽園ホール「MG BEARS FIGHT 2002 FINAL」  
10回戦
■ 日本フライ級2位 内藤 大助 10R判定 菊井 徹平(花形)


強豪相手に内藤選手の評価を一気に上げる価値ある勝利。
2003年の王座奪取を予感させる快勝でした。


判定は3-0。内藤選手のベストバウトのひとつではないでしょうか。
M・D・N(ミスター・ダイスケ・ナイトウ)見事、難敵を撃破!
この日のメインに登場したわがM・D・Nは気合十分。CCB(ココナッツボーイズ)の「ロマンテックは止まらない」をバックミュージュクに颯爽とリングに入場。対戦者の菊井選手もゆずをテーマソングに入場。さながら会場は「年末・日本歌謡大賞」の様相を呈してきたかと思われましたが、いざゴングがなるとさすがに上位ランカー同士の真剣勝負、会場も一気に水を張ったように緊張に覆われます。

試合は1R中盤にM・D・Nの強烈な左フックがクリーンヒットすると菊井選手は大きく弾け飛びます。この一撃で警戒を強めた菊井選手はさらにクリーンフットワークに磨きをかけM・D・Nの射程圏外でM・D・Nを迎え撃つ形で試合を作ろうとします。中盤はボクサーファイターという本来のスタイルを捨て、果敢にインファイトを挑むM・D・N。ここまでポイントでは大きく菊井選手をつきはなしているM・D・Nですが、菊井選手のクリーンフットワークになかなかKOへつなぐパンチをまとめられなかったことも事実。さすがは菊井選手。しかし、形勢不利を悟った菊井選手が後半は打ち合いに出てきて、試合はさらにヒートアップすると、M・D・Nの強打と勘のよさが序、中盤にもまして目立ち始めます。

再三、カウンターの名手、菊井選手から十八番を奪うカウンターをヒットしてKOへのチャンスをひろげますが、今度は菊井選手のクリンチに後続打を殺され終了ゴング。期待されたKOは逃したものの、連勝中の世界を狙う新鋭を大差の判定に破り価値ある勝利を挙げました。
10回戦
松信 秀和 1RKO デットクンポン・シットゴーソン(タイ)


今年、ラクバ拳士に敗れて以来、完全復活。
来年、待望のタイトルマッチを狙います。



KOパンチは得意の左フック。相手はダメージが深くしばらく立ち上がれませんでした。
「燃える闘拳」ランクアップをねらう1RKO勝利
宮田会長に来年3月の試合をすでに決められ、この日、もし負ける様なことがあれば、ファイトマネー没収の可能性もあるといわれた、松信選手にとっては非常にスリルあふれる試合でしたが、日本タイトルにピタリと照準を合わせる松信選手に死角はなかった。1R見事な左フックを炸裂させ、豪快なワンパンチKOで勝利を飾りました。松信選手の談話です「いあや〜、気の早い会長はもう来年の試合を組んでんだから〜。この試合負けてたら、「コノヤロ〜、印刷代がフイになった」とか言われてファイトマネーくれないことは目に見えていましたからね。緊張しましたよ。KOした左フックは手ごたえ十分でした。当たった瞬間、これは立てないと思いました。会長からは明日休んで(水曜日が試合)金曜日ファイトマネーを取りにおいでと言われています。熊野とのスパーリングが終わったあとに払ってくれるそうです。ということでファイトマネーもらうためにあさって(試合2日後)から練習です」
8回戦
リッキー★ツカモト 8R判定 五百久寛行(不二)


2-1の判定は意外でしたが、まずはリッキー選手の完勝。
再起2連勝を飾りました。



相手の五百久選手も粘りますが、終始試合をリードしたリッキー選手の判定勝ち。
リッキー★ツカモト完全復活!
スター完全復活。しっかり練習してきたスター、ツカモト選手は1Rから対戦者の五百久選手に右ストレート、左フック、右アッパーを狙い撃ち。中盤はボディへの強烈なショットで五百久選手をく≠フ字にします。いつKOしてもおかしくない展開が延々と8R続いてスター、リッキー選手得意の判定勝負。誰もが、スターの完全復活、完勝かと思われましたが、意外、ジャッジの一人は五百久選手の勝利を支持。判定は2-1に割れヒャッとさせられました。最後までKOシーンの訪れる気配がかんじられなかったこの試合において、この採点が読み上げられた瞬間こそにこの試合一番のスリルを感じたのは私だけでしょうか?不可解な採点をしたジャツジは「クリーンヒットは五百久選手がまさっていたと判断しました」といって日本プロボクシング協会関係者の疑問に答えていましたが、後日問題になることは間違いないほどの誤審だと思います。デビュー以来一度もダウンしたことのない五百久選手のタフネスはやはり、評判通り。ほめられてしかるべきものでした。しかし、スター、もう少しパンチ力をつけてください。あれだけのワンサイドゲームをクリーンヒットの数で負けていたとジャツジに思われてしまうほど非力だということです。チョット辛口ですが、来年の飛躍を願ってのものです。スター、ご勘弁ください。
4回戦
吉田 法之 4R判定 鈴木 秀二(新日本タニカワ)


初回は少しヒヤッとしましたが、終わってみればワンサイド。
2003年は6回戦に昇格か?



初回タイミングの良い左でダウンを奪う。 2回は右でダウンを追加。安定した戦いぶりでした。
4回戦
池田 好治 1RKO 土門 明弘(国際)


豊富なリングキャリアに裏付けられた実力を披露。
来年の新人王戦の台風の目です。


猛然とラッシュしてきた相手に、この右フック一発。 余力を残してのデビュー戦に、会長とのミット打ちをファンサービス。
4回戦
高草木裕人 4R引分 菅原 慎(CQ渡辺)


デビュー戦とは思えない高レベルの攻防を見せた高草木選手。
判定は勝ったかと思いましたが・・・


右クロスを相手に叩き込む。次回が非常に楽しみな逸材の登場だ。
4回戦
李 昇知 3RKO敗 遠藤 一憲(新松戸高橋)


随所に光るものを見せた李選手。序盤が好調だっただけに残念。


長い手足を生かしたスマートなボクシング。 最後のラウンドはボディが効いてしまいました。
4回戦
小林 尚詞 4RTKO敗 三神 裕智(新日本タニカワ)


必死の形相で攻める尚詞選手。
試合内容では勝っていただけに本当に悔しい結末。


リードして向かえた最終回、おびただしい出血でドクターチェック。
疑問の残る裁定でTKO負けになりましたが、勝利まであと一歩だ、頑張れ尚詞選手。
4回戦
誠 うみ猫 1RKO 上原 純一(CQ渡辺)


またまた秒殺男の本領発揮。
なんと18時前に試合が終わってしまいました。


いきなりの左ロングフックでダウンを奪う。 立ち上がった相手を冷静に沈め2連続の初回KO勝ち。
グリーンボーイ奮戦記
5時55分。予定よりも5分早く第1試合開始のゴングが打ち鳴らされました。赤コーナーから出場した宮田ジムのトップバッターは誠うみ猫選手。ゴングの音が消え入る前にすでに対戦者を捕らえます。鮮やかな左ストレートでまず最初のダウンを与えます。ダウンから立ち上がった対戦者を難なく追撃。再度、左ストレートで2度目のダウンを与えKO勝ち。デビュー戦を1R14秒でKO勝ちしている誠うみ猫選手、この日もわずか35秒でのKO勝ちと2試合連続秒殺KO勝利。もしかして、本当は強い?

2試合目に登場したのはわれらがナオツグ選手。この日は過去の2戦と違い、スピード、的確性ともに、いい感じ。対戦者から次々にクリーンヒットを奪っていく。3Rには対戦者をロープからコーナーに詰めて滅多打ちだ。さあ、KOまであと少し。ところが、4Rに入ると対戦者のバッテングで両目を大きくカット。しかし、レフェリーはパンチによるカットとして試合をストップ。ナオツグ選手のTKOまけとなってしまいました。グローブをしたパンチではあんな切れ方はしないぞ。あきらかに誤審だ!なんて不運な・・・。

そして、期待の李昇知(り・すんじ)選手の登場。ベルトラインには文岩一家の縫い取りが・・・。ゴングがなると勢いよく対戦者に襲い掛かります。ラウンド中盤には右ストレートをクリーンヒット。後半はKOもと思われました。しかし、2Rに入ると早くもスタミナ切れからか、後手になるだけではなく、ずるずると後退する場面が多くなってきた。3R目にボディでダウンすると、立ち上がる力はすでになくKO負けとなってしまいました。スタミナをつけて出直そう。

期待の高い高草木裕人選手が登場。1Rから抜群に速いジャブと右ストレートで対戦者を圧倒。しかし、敵も然(さ)る者。この高草木選手を向こうにまわし堂々の打撃戦を展開。会場が割れんばかりの大声援に包まれました。3Rに対戦者をKO寸前に追い込ん高草木選手が、最終ラウンドKOを狙って出ます。対戦者のがんばりにあってこの大激戦は判定勝負に。高草木選手の勝利は確実かと思われましたが、以外にも採点はドロー。対戦者のボクシングレベルも高く、東日本新人王準決勝戦なみの非常にハイレベルな試合でした。

さあ、池田好治選手の登場だ。やはり、風格が違う。うまく説明できないのですが、とにかく違う。開始ゴングに対戦者が突進〜ん!池田選手はあわてることもなく右ストレート、右フックで応戦。ロープに詰まったかに見えましたが、カウンターの右フックを一閃。バタリと対戦者が倒れました。き、効いてる。何度か立ち上がろうとしてもがいた対戦者でしたが、パンチのダメージから回復できず、ついにカウント中に立ち上がることはできませんでした。池田選手のボクシング転向第1戦は1R25秒KO勝ちでした。

そして、4回戦選手最後の取りはこの人、吉田法之選手。結果的には3ジャッジとも40-36をつける大差判定勝ちでしたが、吉田選手の苦悩の日々は実は試合の決まった40日前から始まっていたのです。40日前に右手をスパーリングで骨折してしまった吉田選手は、まったく右手を使えない練習を40日間も余儀なくされたのです。あきらめかける気持ちをどうにかつなぎとめこの日、誰にも右手の骨折を悟られることなく4R12分間を痛む右手をかかえ左パンチだけで戦いきったのです。不安に投げ出したくなる気持ちを抑え、できる範囲、左手一本で勝つ方法を伊藤先生と模索して勝利を掴んだ吉田選手のボクシングは確かに成長し、うまくなっているが、それ以上に大きく人間を成長させたことと思います。いつもながら吉田選手には頭が下がります。これからも、後輩たちのいいリード役をお願いします。
 

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